犀の角の日記

ブログ、はじめました。そいつで大きくなりました。

頭痛薬

 頭痛がひどくなってきたため、先程市販の頭痛薬を飲んだ。薬局の店員さんに訊いて「とにかく頭痛を抑えたいならこれ」と勧められたイブクイック頭痛薬DXである。これがなかなか良い。確かに頭痛も止むし、おまけに心がとても落ち着く。鎮痛剤には鎮静効果まであるのだろうか。本当に、先ほどまでの心理状態がなんだったのかと思えるほどに、今僕の心は穏やかである。
 この穏やかが心地よい一方で、一抹の悲しさを覚えずにはいられない。先ほどまでの心の荒れよう——といっても、嵐が来ているというほどではなく、時化が来ている程度ではある——を思い返し、今の状態を考えると、やはり自分は病人なのかと考えさせられる。「マシになった、もう大丈夫だ」と思っても、負荷がかかるとすぐこれである。「鬱病は治らない」とよく言われる。やはりそうなのだろうか。
 他の人からはこの世界がどう見えているのか、とふと考える。頭痛が止んだ今の僕には、世界が「ありのまま」のように見える。車の走行音、人の話声、家電製品の動く音。それらがただ単に「その音」として聞こえてくる。さっきまでの僕はどうだったのか。確かに同じ音は聞こえていた。耳に入っていたし、認識していた。しかし、心の中では全く別の、嫌なことばかり考えていた。そのせいで注意が散漫になり、頭痛も起こった。今はそうではない。目の前のテクストに集中できる。嫌なことは嫌なことのままだが、それはそれとして傍に追いやることができる。みんな、「普通の人」はこれがいつもできるんだろうか。薬に頼らずとも、やっているのだろうか。
 ある特定のことばかりが気になってしまって、目の前のことに集中できない状態は、鬱症状の初期からずっと続いているものだ。そのため今後も続いていくような気がしてならない。もう僕は、薬を飲まずにはまともに生活を送ることもできない。そんな事実と予想が、ただただ悲しい。